こんにちは。菅沼(亜)です。今回は、棟札について少し書かせて頂きます。
棟札は、たてまえの時、建物の建築の記録として、束(つか)など建物内部の高所に取り付ける札のことです。
そして、魔除けのための幣束(へいそく)を鬼門に向けて立て、四隅の柱に酒や塩、米などをまいてお清めをし、天地四方の神を拝むようです。
最近では、だいぶやる事も少なくなりましたが、餅まきもその時に行われます。
そして、たてまえ時に使う、代々受け継がれてきた棟札と幣束を書く作業を、今では私がやらせて頂いています。
子供の頃から書道を習っていたので、役に立つ時がきてよかったと思っています。
棟札の表・中央には、「奉上棟大元尊神家門長久栄昌守護所」①、右側には「罔象女神(みつはのめのかみ)」②、左側には「五帝龍神(ごていりゅうじん)」③と書きます。
①は神様にこの家を長きにわたり繁栄させて下さい、と願いを込めたものを表しています。
②、③はどちらも、鎮火防火を司る神だそうです。
なので棟札は、「この家が火災などにあわずに、末永く栄えますように」と願いを込めたものです。
幣束は、神に供えるささげものとされています。
最近では、たてまえ時に上棟式を行わなくなってきましたが、棟札や幣束などの伝統的なものはなくさないように、建前時には必ず用意しています。
棟札・幣束は一度施主様に預け、その後小屋裏に納めます。
こちらは、束の横に取り付けた後の写真です。
この後工事が進んでいくと、棟札・幣束は見えなくなってしまいますが、いつまでも、お客様の家が無火災で栄えるように見守っていてくれることと思います。
自分の書いたものが、お客様のお家の中で、お客様と共に年月を経て歴史を刻んでいくことは、とても感慨深いものがあります。
これからも、一字一字心を込めて、書き続けていきたいと思います。
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