こんにちは。
玉穂木材工業株式会社 菅沼(良)です。
先月ですけど、静岡にあるTOTO YKK APコラボレーションショールーム(静岡市駿河区曲金7-1-6)を視察してきました。今回の目的は、「窓」。窓の素材が、建物へ与える影響の勉強をしてきました。
何が影響するのか。
まず、窓を構成している部材はというと、サッシ+ガラスということになります。その部材の素材の違いで、家の断熱性能がまったく変わってくるということです。
まず、窓の素材の話の前に、家の断熱における窓の重要性の話をします。
「夏に熱が家に流入する割合」を、家のそれぞれの箇所から見てみると、
- 窓:74%
- 外壁:12%
- 屋根:6%
- 換気:5%
- 床:3%
となります。逆に「冬に熱が家から流出する割合」を、家のそれぞれの箇所から見てみると、
- 窓:52%
- 外壁:19%
- 換気:15%
- 床:9%
- 屋根:5%
となります(YKK広報より)。
この数値を見ると、いかに窓から熱が入ってきて、そして放出されているかが分かります。窓は、熱的に見ると、「壁に空いた大きな穴」といってもいいでしょう。
ちなみに、住んだ後の住宅に対する不満アンケートの結果を見ると、
- 1位 暑い! 27%
- 2位 寒い! 23%
- 3位 結露! 15%
となっています。
窓に関する不満が上位3つを占めています。夏においても冬においても、熱の流出入率が圧倒的に高い「窓」の断熱性能を上げることが、快適な生活を送れる家づくりにつながります。
そこで、窓の素材の話に入ります。窓の部材のサッシ。サッシと聞くと、アルミを連想するのではないのでしょうか。それもそのはず。日本では、サッシにおいては80%以上アルミが使われています(北海道を除く)。そのアルミに変わり樹脂が使われるようになりました。樹脂はアルミに比べ高価な素材にはなりますが、その分断熱性能は高いです。どの位高いのか、ここで私があれこれ書いても伝わらないと思うので、実際にアルミ窓と樹脂窓の断熱性能の違いが分かる部屋を、実物で作ったものが、TOTO YKK APコラボレーションショールームにありますので、そちらを見てみましょう。
上の写真に写っているのが、樹脂窓の部屋とアルミ窓の部屋です。この中に入ってみますと、
この様に、窓の外の温度(外気温)・部屋の中の温度・フレーム温度・ガラス温度が掲示されています。アルミ窓の部屋と樹脂窓の部屋の温度の違いが一目瞭然です。窓の温度も、サーモグラフィで出ていました。
予想以上に違います。こんなに差がでるものなのですね。驚きました。
そして、YKKにも色々な商品がありますが、その商品で使われている素材でも断熱性能の違いが分かるコーナーもありましたので、そちらも見てきました。
冬を想定した状況になっています。そしてYKKの商品が横並びになっています。それぞれの部材の温度と、サーモグラフィによる窓の温度が掲示されています。商品(材質)によって、これだけ差が出ています。
夏を想定した窓も用意されていました。
冬と同じ様に、掲示されています。
今回は、窓にスポットをあてた話となりました。サッシもアルミ・樹脂とありますが、ガラスも複層・トリプルとどんどん高性能になっています(それなりに値段もするのですが(汗))。窓(サッシ・ガラス)についての機能・性能・構造等は、まだまだこればかりではありません。ここでは書ききれないほどのものがあります。詳しくは、専門家にご相談下さい。
快適な生活を送るには、窓も重要な要素であります。家づくりの際には、ぜひ窓もお忘れなく。
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